スピーキングの練習をするときに発音の正確さをどれくらい意識したらよいの?
Q. ネイティブと話すときに発音を間違うと恥ずかしいという気持ちがあるので、せめてスピーキングの練習のときくらいは正確に発音するように心がけています。しかし、そうするとかなり時間を食ってしまって、なかなか先に進められません。学習では発音の正確さをどれくらい意識したらよいのでしょうか?
A. CDなどのネイティブの音源があるときは、それを真似るという程度でいいと思います。そして、実際の会話ではむしろ発音の正確さなどはまったくに気にせずに、どんどん発言することが大切です。
英会話は「会話の一種」ですから、そこで最低限必要なのはコミュニケーションが成立していることです。前回お話しした「菅ちゃん英語」でもいいですし、極端なことを言えば赤ちゃん的な片言でも”間違い”とは言えません。
幼児が手を伸ばして「キイン」と言えば、お母さんはちゃんとキリンのぬいぐるみを取ってくれます。つまり立派にコミュニケーションが成立しているのです。お母さんは「キンイじゃなくてキリンでしょ」と訂正するかもしれませんが、あまりしつこく言うと、幼児は機嫌を損ねてしまいます。(幼児が言葉を習得していく過程についてはこちらの記事をご参照ください)
自分の言っていることが通じないときはどうしたらよいの?
Q. でも、発音が正確でなかったら、ネイティブに通じないこともあると思いますが。
A. たしかにそういうことはあります。いえ、しょっちゅうあると言うべきでしょう。ネイティブにPardon? と聞き返されるとあわてますね。何回か言い直しても通じないと「やっぱり発音は大切だ」と思うのも無理はありません。
しかし、そう思ったとたんに英会話は窮屈なものになってしまいます。 間違った発音と正しい発音にデジタルな境目はなく、ジャパニーズイングリッシュから流暢な英語までの無限のグラデーションがあるだけです。
自分のほうが正しいと思わないと話す勇気はなかなかわいてきません。つまり、極端なことをいえば理解しない相手のほうが悪いのだと思う、ということです(幼児の頃はきっとそう思っていたはずです)。
そういった気持ちのうえで、同じ単語を言い直すのではなく、別の単語や言い回しで言ってみたり、イラストを書いたり、ボディーランゲージで表現したりして、強引にでも相手に言いたいことを伝えること、そして伝わったという経験を積んでいってください。