「菅ちゃん英語」で行こう

記事_20150315_「菅ちゃん英語」で行こう

英語の知識は増えてきたが、なかなか話せるようにならないのは何故?

Q. 大学卒業後しばらく遠ざかっていた英語をもう一度勉強しています。しかし、読む方の知識やスキルは少しずつ向上している実感がありますが、会話はまったくだめです。NHKのラジオ講座などで英語に「耳慣れてきた」感じはありますが、少しでも自分が話せるという気がしません。というより話せません。先日会社に英語の電話がかかってきて、ほんとうに焦りました。なんとか取次ぐべき相手に回すことはできましたが、これではいかんなと実感しました。英語が話せるようになるには何が必要なのでしょうか?

「自分は話せる」とまず思いましょう。

A. いきなり英語の電話を受けたらあわてるのは当然ですから、そのことは忘れましょう。面と向かって話すより電話で会話するのは何倍も難しいものです。何年も英語を学習しているけど話せるようにならない、という人は非常にたくさんいます。その理由は、その人が「自分は話せない」と思っているからです。

英語を話すためにぜったいに必要なのは、「私は英語を話せる」という自己認識です。中学と高校で6年間勉強してきた自分は、すでに英語を話せる人になっていると思うことです。「まだ話せない」とい思っているといつまでも話せません。

話せるけれど充分ではない、それは事実ですからそれでいいのですが、大切なのは「話せる」という認識です。この認識さえあれば、積み重ねていく学習、覚えるフレーズや言い回しが無駄になりません。使える英語がその分だけ増えていきます。

「私はまだ話せない」という自己認識に立っている限り、いくら学習を積み重ねて辞書1冊分頭の中に入れても、実際の会話では舌の上に乗せることができません

Q. 自分が話せる人だと思えば話せる、というのはわかるような気もしますが、もうひとつピンとこないところもあります。

「菅ちゃん英語」でいこう

A. 関西の人ならテレビで「ロザンの道案内しよう」という番組を見たことがあるかもしれません。京大卒の宇治原くんと笑顔が可愛い菅ちゃんの漫才コンビが、大阪駅前で外人さんに道案内するというコーナーです。そこで英語をしゃべるのは宇治原くんではなく、もっぱら菅ちゃんです。菅ちゃんの英語の知識は「中学生レベル」というと、中学生が気を悪くしそうなレベルですが「Oh,yeah,yeah」を連発しながらなんとか意思が通じてしまいます。

このコーナーでは菅ちゃんよりは英語の知識がありそうな宇治原くんがまったく英語をしゃべらないというのがミソです。観ている方は、宇治原君がしゃべるとしたら「正しい英語」でないといけないような気がします。本人もそう思っているでしょう。でも、そう思ってしまった瞬間にその人は一言もしゃべることはできなくなります。また、いくら勉強してもいつまでもしゃべれるようにはならないでしょう。

菅ちゃんのように、英語の知識が多い少ないに関係なく「話せる」という前提に立ち、正しい英語かどうかも気にせずに「話す」という態度が必要です。それが英会話上達の条件です。そのせいか菅ちゃん英語も最近はときどき「正しい英語」が混じるようになって、番組的にはおいしくなくなっているようにも見えます。気になる方はMBSの「ちちんぷいぷい」の火曜日の放送をチェックしてみてください。北海道のHBCでも放送しています。関東の方はごめんなさい。

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